呉服札」は弊社の製品のひとつですが、呉服札をご存知ない方も多いのではないかと思います。
もちろん、カルタや花札の仲間ではありません。


着物に仕立てる前の生地は「反物(たんもの)」と言われます。
そこにつけられているモノをご覧になったことがありませんか?。

それ!、それが「呉服札」なんです。

そこに書かれているのは、値段だったり、「お値打ち」の文字だったりします。

他にもいろんな使い方が・・・。
越後札

新潟で作られている「呉服札」は「越後札」と呼ばれるようになりました。



越後札の歴史
 

弊社の創業は明治7年です。

新潟県小千谷市の吉岡家の娘婿である鳥越元吉が、呉服札の製作に成功し、生業として始めましたが、その後鳥越が他の事業に成功したので妻に札紙業を一切渡しました。
その後、初代吉岡清吉(ちぢみの売買業をしていた)が引き継いで現在に至っています。
明治末期には小千谷に40件あまりの札作り業者がありましたが、大正から昭和初期に不況もあり、整理されて数件になりました。
第2次世界大戦下では平和産業という理由で全部廃業させられまいしたが、戦後復活し現在に至っています。
 

呉服札は京都が発祥で江戸時代に生業されています。

小千谷では「ちぢみ」の生産が江戸時代から盛んになっており、関西から仕入れに来た商人が、ここで作られた雪で晒した和紙の札が非常に白く優雅であるのに注目し、織物と共に仕入れて使われるようになりました。
県外移出の第1は大阪の稲西鰍ナあり、第2は三越の前身である三井呉服店であるとされています。
 
越後札の特徴

越後札は和紙の色が白く優雅であり、同時に丈夫であるとの評判から使われるようになりました。紙縒りがしっかりしているため錐で穴を開けなくても簡単に反物につけることができます。
 

最後に、日本人の伝統衣装である和服は、木造家屋、畳の住まい、瀬戸物の食器、箸を使う生活などと共に日本の文化として永遠に続くものと思います。
弊社は、その需要が続く限り越後札の製造を代々伝え続ける所存でございます。